先日、1年生の授業で行われた「医用機器学概論」内視鏡を使った実習の紹介をさせて頂きます。
2021年、法令改正により臨床工学技士の業務範囲が追加されました。
そのひとつに「内視鏡外科手術における硬性鏡の保持」があります。
これは、手術室で行う鏡視下手術において、体内に挿入されている内視鏡用ビデオカメラを保持する行為、術野視野を確保するために内視鏡用ビデオカメラを操作する行為を、医師の具体的な指示の下で実施することです。
改正前は、内視鏡用ビデオカメラの保持・操作は医師が行っていましたが、改正後、内視鏡手術の準備、内視鏡用ビデオカメラの保持・操作は臨床工学技士が医師と協働して行う業務に変更されました。
今回の「医用機器学概論」内視鏡実習では、内視鏡についての沿革や目的、診断や治療方法、使用機器・機材について学び、実際に内視鏡を操作する実習を行いました。
授業を担当するのは、長年、大阪大学医学部附属病院で臨床工学技士として多くの治療に携わってきた吉田教授です。
内視鏡は、体内の様子を体外から観察する医療機器です。体内へ挿入する部分が曲がらない硬性鏡(こうせいきょう)と、挿入部分が柔らかく先端が曲がる軟性鏡(なんせいきょう)があります。
これら内視鏡の発展により、体の内部のさまざまな部位を観察し、いち早く病気を発見・診断すること(早期診断)、また、体になるべく負担をかけないように治療することが可能となってきました。
内視鏡は観察・治療する体の部位により使用機材が異なり、様々な種類があるとの説明もあり、学生達は熱心に聞いていました。
講義の後は、実際に2種類の内視鏡の操作を学びました。
まずは、挿入部分が柔らかく先端が曲がる軟性鏡(なんせいきょう)と呼ばれる内視鏡を操作し、モニターで確認しながら、模型の胃の中にあるポリープを探します。
学生達は内視鏡の操作に苦戦しながらも、モニターでしっかりとポリープを発見していました。
続いては「体腔(たいくう)」という体壁と体腔内臓器の間にある隙間での操作です。
模型の体腔を2Dや3D画像撮影システムを用いて、カメラの操作役、助手役に分かれ、それぞれの役割を学びました。
また、挟んだり、固定したり、引っ張ったりするために使う「鉗子(かんし)」を使って実際に輪ゴムを挟んだり、引っ張ったりもしました。
モニターを見ながら操作する事が難しく、距離感をつかむ事にも学生達は苦戦していましたが、終始、和気あいあいとした雰囲気で、一人ひとりが積極的に実習に取り組んでいました。
後期授業が始まり、1年生は学内実習が増えてきました。講義で勉強した内容を実践に結び付ける学内実習、技術がしっかりと身に付くよう努力していきましょう!
今回の「医用機器学概論」では、内視鏡の操作はもちろん、チームワークの大切さも学べた授業となりました。
滋慶医療科学大学では、実際に医療機器を使った模擬授業をオープンキャンパスで行っています。
医療系の職業に興味のある高校生はぜひ参加してみてください。