先日、2年生の授業で行われた「血液浄化療法装置学実習」血液回路の組み立てと洗浄実習の紹介をさせて頂きます。
臨床工学技士の業務に、血液浄化業務があります。
血液浄化業務とは、体内に貯まった老廃物などを排泄、もしくは代謝する機能が働かなくなった場合に行う治療法で、血液透析療法、血漿(けっしょう)交換療法、血液吸着法など様々な血液浄化療法があります。
臨床工学技士は治療の準備であるプライミングや穿刺(せんし)、透析装置の操作を行います。
今回の「血液浄化療法装置学実習」では、治療の準備であるプライミングの手技を身に付けること、清潔操作や物品の取り扱い方法も習得することを目的とし、実習が行われました。
はじめに、実習器具である、血液透析回路、ダイアライザ、バケツ、生理食塩水(水道水で代用)、鉗子2~5本を準備し、先生が病院にて制作したオリジナル動画を見ながら、ポイント、手順を確認していきました。
ダイアライザとは血液透析を行うときに必要な筒型の人工腎臓のことです。
小さな穴が無数に開いた、細いストロー状の膜を約1万本束ねたもので、この穴は血球成分や蛋白質は通過せず、それよりも小さなものだけが通過するようになっており、老廃物の除去を行います。
不要なものが除去された血液は回路を通して体に戻されます。
動画で手順を確認したら、いよいよプライミング(治療の準備)の開始です。
グループに分かれ、動画を見て、学生同士で確認しながら血液回路を組んでいきます。
静脈の回路、ダイアライザ、動脈の回路という流れで血液回路を組み、空気が入っていないか、回路にねじれがないか等を確認し、1リットルほどの生理食塩水(水道水で代用)を流し、洗浄します。
年明けには、プライミングテストを実施するとの事で、学生達は真剣に取り組んでいました。
学生全員がしっかりと技術を身に付けられるよう、この流れを一人ずつ順番に行いました。
来年の3年生には病院や企業での実習が控えています。
今後、より実践的な内容を勉強していくので、今まで以上に講義も学内実習も一生懸命、取り組んでいきましょう!
滋慶医療科学大学では、学内実習と同じようにオープンキャンパスでも、実際に医療機器を使った模擬授業を行っています。
今回、紹介した透析装置についても実際に触れることができるので、医療系の職業に関心のある高校生のみなさんは、オープンキャンパスにぜひ参加してください。