腎臓がずっと悪い状態のことを慢性腎臓病と呼び、日本では、約30万人の慢性腎臓病の患者様が血液透析という治療を受けています。
臨床工学技士は医師や看護師とともに、この治療を行っているのですが、今回は血液透析を行う臨床工学技士の具体的な仕事内容について紹介します。
治療の準備
血液透析では、腎臓の代わりをする医療機器「ダイアライザー」に血液を流し込み、患者さんの体の余分な水分や毒素を取り除きます。
ダイアライザーと血液を流し込むためのチューブをつなげて組み立て、水分と毒素を取り除くための装置に取り付けます。
治療の開始
患者様に血液を取り出すための針を刺します。針は献血用の針と同じぐらいの太さです。
患者様からどれだけの水分と毒素を取り除くかを設定し、治療を開始します。
治療中は、患者さんと装置に異常がないか、チェックします。
治療終了
無事治療終了したことを確認し、ダイアライザーに残っている血液を患者さんに戻します。ダイアライザーとチューブを破棄し、装置を掃除します。
血液透析治療を受けられる患者様は、週に3回、1回につき4時間、ベッドに寝てこの治療を受けるという生活を何年間も続けています。
臨床工学技士として同じ患者様と何度も接するため、患者様から頼りにされることも多く、適切な知識と技術、そしてコミュニケーション能力により、信頼関係を築くことも大切です。
滋慶医療科学大学では授業の中で実際に医療機器に触れながら知識や技術を身につけられるカリキュラムを用意しています。
また、オープンキャンパスでも、このような臨床工学技士業務を体験いただける模擬授業を用意しているので、ぜひご参加ください。
田中 智之
滋慶医療科学大学 講師
博士(応用情報科学)/臨床工学技士/臨床ME専門認定士/医療情報技師