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木曜ドラマ「グレイトギフト」に臨床検査技師が登場!有資格教員にインタビュー

2024.1.18

コラム

こんにちは。滋慶医療科学大学 事務局です。

1月18日(木)より新しい医療ドラマ「グレイトギフト」が始まります。

医療現場では医師や看護師など様々な資格を持った方が働いていますが、今回のドラマでは臨床検査技師という役を人気女優の波瑠さんが演じています。

臨床検査技師は、血液検査や尿検査、微生物検査、超音波検査、脳波検査などの様々な検査をおこなう医療現場には欠かせない非常に重要な仕事です。

滋慶医療科学大学は臨床工学技士を目指す大学なので臨床工学技士有資格の教員が多数いますが、中には臨床検査技師と臨床工学技士、両方の国家資格を持っている教員もいます。

今回は、その中でも黎明期から第一線で活躍してきた吉田靖教授にインタビューをしてみました。


吉田 靖 教授

Q.先生の簡単なご経歴を教えてください。

A.大阪警察病院で10年間勤務しまして、その後、大阪労災病院を経て、2014年から大阪大学医学部附属病院の医療技術部で臨床工学部門の技士長、医療技術部長として働いてきました。

Q.先生は臨床検査技師と臨床工学技士の両方をお持ちですが、どのような経緯で資格を取得されたのでしょうか?

A.臨床工学技士の国家資格は1987年に制定された比較的新しい資格です。

まだ臨床工学技士がいなかった当時は、業務の多くを医師が担当していましたが、血液透析や人工心肺などの技術が著しく発展し確立したことにより、対象患者が多くなってくると医師だけでは賄えなくなりました。

1980年代には先進的な医療施設において、他の医療職種である看護師や臨床検査技師などが医師からの指導を受けて、部分的に業務を施行することが多くなっていました。

1980年に臨床検査技師の資格を取得した私は、臨床検査技師が担当する生理検査の発展的な部署として、循環器領域の心臓超音波検査や心臓カテーテル検査、人工心肺を担当する部門化された病院に入職しました。

大学内での実習の様子


Q.臨床検査技師の国家資格が施行されたのが1970年ですから、資格制度が出来て10年くらいの創成期に取得されたんですね。臨床検査技師としては、どのように働かれていたのでしょうか?

A.臨床検査技師は、血液や尿などの患者さんから採取した検体を検査する生化学、免疫化学、病理学、内分泌、止血、腎機能などの検査領域と生体の機能を直接患者さんと接して心電図、脳波、超音波、聴力などの検査をする生理検査がありますが、その当時はこの範疇に類する業務として適当な職能がなかったために臨床検査技師が担当する病院も少なからずありました。さらに医療資格を持たない技術者が、現在は臨床工学技士が担っている業務を担当する施設もありました。

学生に指導する吉田教授

私は、入職した病院の臨床検査技師として通常の生理検査や生化学も担当しましたが、循環器領域の検査部門に配属されて経験した人工心肺などの体外循環業務に興味を持ち、1988年に施行された第1回臨床工学技士国家試験を受験し臨床工学技士の資格を取得し、臨床工学技士として満を持して別の病院に転職しました。

Q.すごい!臨床工学技士の資格が出来た時に取得されたんですね。臨床検査技師の仕事をする中で、臨床工学技士の資格に興味をお持ちになられたということなんですね。

A.そうですね。人工心肺による心臓血管手術が行われるようになって約70年しか経過していませんので、まだ創成期であった時期から人工心肺業務に携わることができたことにより、その歴史的な発展経緯を臨床検査学を通して関わりました。

その独自性の高い体外循環に係る学問の必要性を強く感じて、この臨床経験に培われた研究理念を実現するために多くの学会等による社会的な活動や研究に携わってきました。

このような歴史的な背景からも臨床工学技士のさらなる発展が期待されると思います。

臨床検査技師、臨床工学技士のどちらの仕事も今後ますます必要になってくる仕事だと思いますので、興味を持つ人が今後ぜひ増えてほしいですね。本日はありがとうございました。


吉田 靖 教授

1980年関西医療検査大学校卒業、2018年大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻博士後期課程単位取得退学。
1980年臨床検査技師免許取得、1988年臨床工学技士免許取得。
1980年大阪警察病院研究検査課、1990年大阪労災病院臨床工学室、2013年大阪大学臨床医工学融合研究センター招聘准教授兼務、2014年大阪大学医学部附属病院医療技術部臨床工学部門技士長、2016年同病院医療技術部長、2017年森ノ宮医療大学客員教授、2018年大阪大学大学院医学研究科保健学専攻先進臨床工学共同研究講座特任准教授、2021年同大学院未来医療学寄付講座特任准教授、2021年より本学教授。

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