MAIN MENU

戻る

ニュース&イベント

頻脈性不整脈の新たな治療法~カテーテルアブレーション「磁気ナビゲーションシステム」~

2023.5.26

コラム

私たち人間の心臓は、1分間に60~80回、脈を打つことで全身に血液を送り出しています。

その頻度が速すぎたり、遅すぎたり、不規則だったりする状態を不整脈と言います。

今回紹介するカテーテルアブレーションは、頻脈性不整脈という頻度が速すぎる不整脈の治療の一つ。

これは、カテーテルで不整脈の伝わる道を高周波や冷凍により塞ぐ治療であり、多くの患者様が治療を受けています。

臨床工学技士も、そういった現場で心内心電図の波形を読み取り、医師の動かすカテーテルの電極から、不整脈の場所を特定し、画像を作ったりしています。

今回紹介する、新しいシステムは「磁気ナビゲーションシステム(マグネテックナビゲーションシステム)」と呼ばれ、国内では、2015年から導入されています。

マグネットの入った専用のカテーテルを患者様の横に置いた2台の永久磁石で動かすことで、カテーテルの操作を遠隔に行います。

このシステムにより、医師や患者様の放射線被ばく量が減るだけではなく、困難な症例に対しても治療が可能になるといわれています。

臨床工学技士はこのように新しいシステムにも対応する必要があるので、医療・工学の確かな知識と学び続ける姿勢が求められます。

.

滋慶医療科学大学では、在学生の間からカテーテル操作の体験ができるように心臓モデルを所有しています。

模擬手術室内の透明心臓モデル
実際の手術現場を想定した実技を行う

.

透視画像だけという見えない状況下で、カテーテルを操作するのは難しく、医師の技術力を実感するとともに、心臓の構造をイメージしながら勉強することが可能です。

確かな知識と技術を自分のものにし、「いのちのエンジニア」である臨床工学技士としてカテーテル治療で患者様の命を救うことができる医療従事者を目指しましょう。

—–

木田 奈々美

滋慶医療科学大学 講師

博士(保健学)/臨床工学技士/透析技術認定士/3学会合同呼吸療法認定士/MDIC(医療情報コミュニケータ)