一般社団法人 和歌山県臨床工学技士会主催の「第30回近畿臨床工学会」において、滋慶医療科学大学医療科学部 臨床工学科3年生の学生が発表を行いました。

発表タイトルは「注射針とシリンジの接続特性に関する研究」。

針やシリンジ、輸液回路、透析回路など、医療現場で広く使用される小口径流体路の接続器具はルアーコネクタと呼ばれています。
近年その設計にはロック構造が加えられており、接続が外れる事故の発生頻度は減少してきました。
しかし、減少傾向は近年停滞しており、依然として重篤な事故が発生しており、患者の安全に影響を与えています。

本研究では、複数メーカー製の注射針とシリンジの接続力および分離力をフォースゲージを用いて測定し、得られたデータを基に力学モデルを用いた検証を行いました。
これにより、メーカーごとに異なる摩擦係数が接続特性に及ぼす影響を評価しました。
力学モデルによる解析の結果、接続特性におけるメーカー間の摩擦係数の違いが明らかになり、適切な組み合わせを選択することで医療現場での安全性向上が期待できることが示唆されました。
本研究の成果を基に、臨床環境での実証試験や材料特性の詳細解析を進めることで、接続の安全性向上に寄与する新たな安全対策の提案を目指しています。

発表した学生は3年次の「専門ゼミ」の中で今回のテーマを研究してきました。
滋慶医療科学大学では1年次の「基礎ゼミⅠ・Ⅱ」から始まり、2年次に「専門ゼミⅠ・Ⅱ」、3年次に「専門ゼミⅢ・Ⅳ」と順を追って研究を進め、4年次には集大成として「卒業研究」に取り組みます。
今回発表した学生は3年生。次年度に控える卒業研究においても、存分に研究に励んでください!
