医療に関わる国家資格には様々なものがありますが、皆さんは「臨床工学技士」、「診療放射線技師」、「臨床検査技師」の3つの医療系国家資格の違いをご存じですか?
本学は臨床工学技士の国家資格の取得を目指しますが、オープンキャンパスにお越しになる高校生の方などからは「診療放射線技師や臨床検査技師とはどう違いますか?」といった質問をよくいただきます。
臨床工学技士は医療機器に携わる仕事であることは他のブログなどでもお伝えしていますが、診療放射線技師や臨床検査技師も医療機器との関わりがあります。
では、その関わり方は臨床工学技士とどのように異なるのでしょうか?
そこで、今回はこの3つの仕事について、「仕事内容」、「活躍する場所」、「関わる医療機器」、「国家試験合格率」という観点から違いを簡単に紹介したいと思います。
臨床工学技士

【仕事内容】
生命維持管理装置(人工心肺装置や人工呼吸器、血液透析装置)の操作など、命に関わる業務が主であり、治療に直結しているのが特徴です。
【活躍する場所】
患者さまの症状、様態によって手術室や集中治療室(ICU)、透析室など活躍の場所が変わります。
病院内のあらゆる場所で様々な医療機器の保守・管理も行います。
【関わる医療機器】
特定の医療機器に限らず、医療機器全般を扱います。(最新の手術支援ロボットや除細動器とも関わります。)
診療放射線技師

【仕事内容】
画像検査・診断、放射線を利用したがん治療(放射線治療)などが主な業務ですが、割合としては検査や診断が大きくなっています。
【活躍する場所】
放射線の専門家で、放射線室で活躍しています。
【関わる医療機器】
放射線装置やMRIなど放射線室の限られた範囲内の装置を扱います。
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臨床検査技師

【仕事内容】
血液、尿、組織の一部など取り出して行う検体検査と体の表面や内部の検査する生体検査を行います。
【活躍する場所】
病院の検査室や検査センターで検査・分析を行います。
【関わる医療機器】
心電図、脳波計、超音波診断装置などの検査のための機器を扱います。
このように、3つの資格の間で働く場所や扱う機器が異なっています。
臨床工学技士は「患者様の治療に携わりたい」、「病院内の色々な場所で活躍したい」、「幅広い医療機器を扱ってみたい」という方に向いている仕事と言えます。
最後に、3つの国家資格の過去3年の平均合格率も紹介したいと思います。
<過去3年の国家資格合格率>
臨床工学技士
R5年度 85.4%
R4年度 80.5%
R3年度 84.2%
診療放射線技師
R5年度 87.0%
R4年度 86.1%
R3年度 74.0%
臨床検査技師
R5年度 77.6%
R4年度 86.4%
R3年度 91.6%
年によって上下しますが、どの資格もだいたい80%前後の合格率となっており、難易度的には大きく変わらないものとなっています。
今回は3つの医療系国家資格資格の紹介でした。
それぞれの資格や働き方について、もっと詳しく聞いてみたい!という方は本学のオープンキャンパスでも詳しく解説いたします。
臨床工学技士として医療現場で働いていた教員や、今回ご紹介したような医療職種と迷いながら臨床工学技士を目指すことに決めた在学生スタッフからリアルな話を聞くことができるので、ぜひお越しください!
