TBSテレビで2018年に放映された日曜劇場『ブラックペアン』の続編、日曜劇場『ブラックペアン シーズン2』が現在放映されていますが、みなさんは視聴されていますか?
SNSでは「おもしろい!」「手術シーンがリアル!」と話題になっていますね!
二宮和也さん演じる、天才外科医・天城雪彦だけができるとされている「ダイレクトアナストモーシス」という手法の心臓手術シーンは見所のひとつではないでしょうか。
ところで、実際に心臓手術を行う際には、一時的に心臓や肺の働きを止めることになりますが、その間、代わりに生命維持機能を支える医療機器を「人工心肺装置」と言います。
そして、この人工心肺装置の操作・管理という大切な役割を担うのが臨床工学技士です。
「ブラックペアン」の公式ページ内で監修ドクターの山岸俊介先生からも言及されている通り、臨床工学技士はチーム医療の一員として医師や看護師と連携しながら安全な心臓手術を支えています。
さて、今回の記事では、本学へ入学後に学ぶ「心臓」についてご紹介します。
みなさんの体にもある心臓のこと、少しでも詳しくなると「心臓は美しい」というドラマ内セリフにも共感できるかもしれません!
まずはみなさんもご存じの通り、心臓は全身に血液を送り出すポンプの役目をしています。
車のエンジン部分に相当し、人の体で最も重要な臓器のひとつです。
心臓は右心房、左心房、右心室、左心室の4つの部屋にわかれており、全身からかえってきた血液はまず右心房に入り、右心室を経て肺に送り出されます。
肺で酸素をもらった血液は左心房に入り、左心室から全身に送り出されます。
また、心臓には、血液が一方向に流れるように、部屋と部屋の間に「弁(べん)」という扉がついています。
右心房と右心室の間は三尖弁(さんせんべん)、右心室から肺へつながる肺動脈弁(はいどうみゃくべん)、左心房と左心室の間は僧帽弁(そうぼうべん)、左心室から全身につながる大動脈弁(だいどうみゃくべん)があります。
弁はポンプの動きに応じて開閉し、血液の逆流を防ぎます。
また、心臓は筋肉からできていて、心臓の筋肉(心筋)が縮んだり(収縮)、拡がったり(拡張)する動きによって、全身に血液を送ります。
休むことなく役割を果たすためには栄養(=酸素)が必要です。
その酸素を心筋へ運ぶために、心臓の表面には左右2本の冠動脈という太い血管が走っています。
右冠動脈は、Right Coronary Arteryを略して、RCAと言われ、同様に、左冠動脈はLCAと言います。
右冠動脈は1本ですが、左冠動脈はさらに左回線枝(LCX)、左前下行枝(LAD)に分かれます。
ブラックペアンのドラマ内でも、会話の中に略語が出てくると思うので、なんとなく覚えておくとイメージ出来そうですね!
ここまで出てきた用語は、臨床工学技士を目指す学生は必ず学ぶ内容なので、臨床工学技士を目指す方はドラマと絡めて今のうちに覚えておくといいですよ。
ところで、人の心臓は一生の間に、どのくらい動いているか知っていますか?
人の心臓の拍動回数は、1分間に60~80回収縮し、約5リットルの血液を全身に送ります。
1分平均70回くらいで、およそ1秒ごとに拍動していることになり、1日で約10万回、80歳ぐらいで30億回以上も打ち続けることになります。
私たちの体において、重要な役割を粛々と担い続ける心臓という臓器。
改めて、 天城雪彦の「心臓は美しい」というセリフに共感できたのではないでしょうか?
心臓への興味が湧いた方に向けて、本学の黒光准教授のゼミで行われた「心臓の解剖」についても近日中にご紹介予定です。
是非お楽しみにお待ちください!