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麻酔アシスタント臨床工学技士も登場!拡がり続ける臨床工学技士の未来~タスクシフト・ワークシェアの今~

2023.5.16

コラム

「10年後、20年後には〇〇%の仕事がなくなる」というようなニュースを一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?

様々な説はありますが、最近はChatGPTが話題になったこともあり、「将来は、AIが発展してもなくならない仕事に就きたい」と思う高校生の方もおられるかもしれません。

ということで、今回は『AIが発展してもなくならない仕事』の一つである臨床工学技士についてお話ししたいと思います。

そもそも臨床工学技士は1988年にスタートした国家資格で、他の医療国家資格と比べると、比較的新しい資格です。

当然ながら、医療現場で国家資格化以前にも医療機器の操作や管理・保守に関する業務があり、医師や看護師・臨床検査技師が担ってきましたが、医療機器の多様化・高度化が進む中で、安全担保や効率化のために国家資格の必要性が高まり、「臨床工学技士」(Clinical Engineer/CE)が国家資格化されたという背景があります。

(世界で初めて、クリニカルエンジニアが国家資格となりました。)

比較的新しい国家資格と言えど、既に30年以上が経っており、その間に、医療機器も目まぐるしく進歩してきました。

臨床工学技士の業務内容も拡大し続けており、最新の臨床工学技士法改訂(令和3年厚生労働省令第119号(2021年7月9日交付)『臨床工学技士法施行規則の一部改正』)では、これまで医師にのみ認められていた内視鏡の操作やカテーテル治療の機械操作を、医師の指示の下、臨床工学技士もできるようになりました。

また、これまでは医師・看護師が担ってきた点滴や薬剤投与のための機械をつなげるための穿刺も臨床工学技士ができるようになっています。

滋慶医療科学大学 模擬手術室

さらに近年は「麻酔アシスタント臨床工学技士」も登場しています。

これは、麻酔科医の負担軽減や医療安全向上のために始まった動きで、大学病院を中心に少しずつ導入病院が増加しており、臨床工学技士が術前準備や術中バイタルサインの確認、術後の集中治療室における対応等を担っています。

元々、米国ではフィジシャン・アシスタント(Physician Assistant:PA)が医師の右腕となって手術のサポートを担っており、国内でも同様のポジションが渇望されています。

「麻酔アシスタント臨床工学技士」は国内におけるその先駆けとも言えるポジションであり、数ある医療従事者の中から臨床工学技士が注目されていることが、臨床工学技士の将来性の高さを証明しています。

AIの発展により、さらに医療機器は発展していきますが、医療機器を操作、保守・管理、開発していく際の中心人物となるのは臨床工学技士です。

未来の医療現場を支えられる臨床工学技士を養成するために、滋慶医療科学大学では病院実習に加え、(臨床工学技士養成校として日本で唯一)「企業実習」も導入しており、これからも未来の医療機器開発を実現できる臨床工学技士の養成に取り組んでいきます。